【屏東】原住民に守られた山岳地帯の秘境【霧台、三地門】

台湾には大陸から人が移動する前から暮らす原住民がおり、政府が認定しただけでも16の部族がいます。お土産物屋さんなどで原住民のアイテムを目にしたことがある方も少なくないかもしれません。
今回PBでは魯凱(ルガイ)族と排湾(パイワン)族が住む、屏東の山岳地帯「霧台(ウータイ)郷」と「三地門(サンディーメン)郷」を訪れました。中華系の様式とはまた違った独特な世界観を持つアーティスティックな原住民のヴィレッジの様子をお届けします。


アクセス

高雄からのアクセスが良い屏東県にある霧台と三地門は一日で両方を訪れることができます。霧台、三地門ともにアクセスは屏東駅から屏東客運からのバスになります。屏東駅~水門(三地門)~霧台とバスが進むので、まずは最初に霧台まで行くことをおすすめします。


霧台行きは8233系統のマイクロバスです。チケット窓口もありますが、悠遊卡(ヨーヨーカ)が使えます。霧台行きは一日3便(7:45、9:30、14:30)のみのため、日帰りで霧台と三地門両方を回りたい場合は7:45発に乗るのがベストです。(詳しくは屏東客運のHPでご確認いただけます。)朝早くの便になりますが、台鉄屏東駅までは台鉄高雄駅から電車で20分ほどの位置にあるため、高雄市内に宿泊して朝に台鉄で移動することも可能です。(台湾鉄道の時刻表はこちらからご確認ください。
屏東発のバスはまず三地門を目指すため街中を1時間ほど走ったあと水門(三地門)に到着します。ここで10分ほどのトイレ休憩と霧台へ進むために必要な入山申請の記入用紙が回ってきます。氏名、生年月日、パスポート番号等を記入します。水門を過ぎると道幅の狭い山道を30分ほど登っていくことになります。上に行くほど道幅が狭くなり大型のバスが入れないため霧台行きはマイクロバスになっています。PBが取材で向かった日は土曜日で、バスには10名ほど乗車していました。

山道をひたすらバスで登っていきます。立橋の奥の方が水門側です。


霧台郷 ー魯凱族が守る秘境ー

屏東を7:45に出発したバスは9:15ごろに霧台に到着しました。ひと昔までは入山許可が無いと立ち入ることができなかった霧台はまさに秘境。ヴィレッジ内にはとても静寂な時が流れており、山の澄んだ空気や鳥のさえずりにまるで別世界に来たのかと錯覚します。


バス停の目の前は魯凱文物館への階段になっています。上った先には魯凱族の像や百歩蛇の描かれた石碑があり、広場から霧台郷の山並みを一望することができます。
魯凱文物館では魯凱族の暮らしについて知ることができます。魯凱族の伝統的な衣装や貴族の華やかなヘッドアクセサリーも展示されています。
文物館の右手には小学校があり、中に入ると左手にヴィレッジ内に通じている小道があります。

小道の脇には百歩蛇の描かれた壺を乗せたカラフルに塗られた塀が続きます。

ビーズや織物でできたアクセサリー屋さん。
スイーツやドリンクが売ってるお店も。
台湾原住民の70%ほどがキリスト教徒のため原住民のヴィレッジには教会があることが多いです。

この一帯は芸術村区(アートヴィレッジ)となっており、街の至る所にアートが施されています。霧台から三地門に向かう次のバスの時間まで2時間ほどあるので、その間に散策してみると色んな発見があって楽しいです。


三地門 -アーティスティックな排湾族のヴィレッジー

霧台から水門(三地門)までは行きと同じマイクロバスで戻ります。帰りも3便(9:45、11:30、16:30)しかないため時間に注意してください。水門に着いてしまえば、屏東駅までは時間帯にもよりますが、おおよそ30分に1本ほど屏東行きのバスがあります。
三地門はおおまかに水門のバスターミナルがある市街地のエリアとすこし高台にあるエリアに分かれます。水門の手前のバス停「三地門郷公所」で降りると高台のエリアを散策することができます。高台のエリアには三地門文化館や工芸歩道、原住民料理のお店がたくさんあります。


答給発力美食坊
原住民料理はクセのない塩ベースの味付けで日本人好みの味です。豊かな山の恵みを贅沢に乗せたプレートは480元。2人前のボリュームがあります。


三地門のエリアもヴィレッジ全体にアートにあふれています。自然とアートが融合した雰囲気はまるでファンタジーの世界です。


高雄旅行のついでに足を伸ばせる屏東エリアの原住民ヴィレッジ。いつもの台湾とは別世界の体験をしてみたくなったら、ぜひ訪れてみてください。

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