台湾のカルチャー「文創」とは
「文創」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。台湾に行ったことがある人であれば、知っている人も多いかもしれません。「文創」はいまや台湾のカルチャーシーンを語る上で欠かせないワードの一つです。
では「文創」とは一体何なのか?
とても簡単に言ってしまえば、その意味は「文化から創意してオリジナリティーある新しいモノを生み出していこう」ということです。しかし、そんな簡単に表せるほどに単純ではないのが台湾の文創。
もともと台湾は国内のエネルギー資源があまり豊かとはいえません。かわりに台湾の大きな資源・財産となっているのが「人」そして「人が生み出す有形・無形のモノ」です。
台湾政府の政策に「文創」が組み込まれていることもあり、台湾では若手でも挑戦しやすい環境が整っています。次々と新たなブランドが誕生し、その勢いはとどまるところを見せず、進化していくそのレベルの高さに毎回驚かさせれる。それが台湾の文創です。
台湾で最新の文創情報をキャッチできる場所といえば、まずは「文創園区」に行くのがオススメです。台湾各地に数箇所ある文創園区は台北に2つあります。今回はそのうちの一つ「松山文創園区」についてご紹介したいと思います。
松山文創園区について
松山文創園区に行ったら必ず訪れてほしい場所として一番最初にお伝えしたいのがこちらの書店です。ウッドデッキの先にあるエメラルドグリーンが綺麗な外観の木造の建物。遠くからも目を引くその佇まいに、中はどんな感じになっているのだろうと入る前からワクワクしてしまいます。
中に入ってみるとと天井まで届く本棚に一面の本。ウッディーな内装と天井からこぼれ落ちるようにぶら下がったたくさんのランプ。温もりを感じる雰囲気には心が落ち着きます。店内に並ぶ本はすべて売り物。中国語の書籍が中心に置かれていますが、装丁がオシャレな本やアートブックも多く、言葉がわからなくても眺めているだけで楽しい本がたくさんあります。
書店に併設されたカフェでは、コーヒーやお茶、サンドイッチといった軽食をたのしむことができます。春や秋の風が気持ち良い季節には、窓から差し込む木漏れ日とさわやかな風を感じながらほっとひと息。店内で心地よく流れるBGMは読書や一人で考えたい事をしたい時にも邪魔をしません。
書店の奥側には廊下のようなスペースがあり、こちらでは期間限定のアート展示や書籍の販売を行なっています。定期的に展示内容が入れ替わりますので、訪れるたびに忘れずのぞいておきたい場所です。
リノベーションした倉庫内のイベントで最新情報をキャッチ
文創園区では常に何かしらの展示イベントを行っています。展示日数は企画によって数日から数ヶ月と様々で、週末だけのイベントもありますので、おもしろいイベントに出会えたらラッキー。面白そうだなと感じたらかならずのぞいておきましょう。
倉庫内では産業に関連する展示や「Creative Expo Taiwan」のようなクリエイターやクラフト系ショップのお店が出展するイベント、アーティストの作品展示などが行われています。ブランドブースの出展があるイベントではスタートアップしたばかりのブランドやクリエイターが出展している事も。特に新しいブランドは台湾内でもまだほとんど流通していないため、最新情報をキャッチできる大チャンスです。
最近では日本から参加しているブースを頻繁に見かけることもあり、台湾にいながらにして日本のすばらしさを再発見することもあります。今回訪れた際に日本のアートギャラリーから参加しているブースの方にお話を聞きました。「いずれは台湾で自分たちのイベントを開催したいので、台湾の状況を下見するつもりでブース出展した。カッコいいクリエイターやブランドがあるという話は聞いていたが、予想以上にレベルが高くてすごく驚いている。」とおっしゃっていました。
オシャレな文創アイテムを買うなら園内のショップへ
オシャレな文創アイテムがほしくなったら、園区内にあるショップに行きましょう。アパレル、生活雑貨、台湾茶など台湾トップクラスの文創ショップが集結していて、今がまさに旬のブランドのアイテムに、あれもこれもと目移りします。同じ敷地内に「誠品生活」もあるので、日本では手に入りづらい海外のオシャレなデザインの心惹かれるアイテムに出会ったらぜひ手に入れておきたいところです。
日本の生活に馴染む雰囲気を持っているのが台湾の文創。海外旅行で気に入った雑貨を買ってみたけど、日本に持って帰ってきたらなんとなく合わないという事にもなりません。台湾茶やお菓子のパッケージもカッコイイデザインのものが多いので、他の人とは差が付く台湾のお土産をゲットしましょう。
アクセス
MRT板南線(ブルーライン)「國父紀念館」から徒歩7分。
もう一つの文創園区「華山1914」との間はタクシーで約10分(170元程度)で移動可能。
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最後に・・・
今回、本記事を書くにあたり、「私にとって文創とは何か?」という事をずっと考えていました。
私なりに出た結論は、「私にとって文創はスタイルである。」ということです。
流行に左右されずブレない自分軸を持ちつつも、頑なに変化を拒むものではなく柔軟に形を変えていくもの。それが私にとっての文創です。
新しいカルチャーである「文創」を追いかける一方、古来から受け継がれる伝統、長い時をかけて積み上げてきた歴史の重みにとても魅力と価値を感じます。伝統や文化守りながら、古いものと新しいものを融合させ、あらたなカルチャーを生み出していく台湾。今後さらに発展していくであろう「台湾の文創」からますます目が離せません。
◆おまけ◆
松山に限らないのですが、文創園区のリノベーションされた建物や内装は本当にカッコイイものばかり。展示やショップだけでなく、ぜひ園内の隅々まで堪能していただきたい場所です。
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